《長期金利》激動の2023年 24年は上値水準が焦点 宮嶋貴之
有料記事
2023年の長期金利は激動の一年だった。22年末に日銀は長期金利のコントロールの柔軟化を行ったため、23年初めの長期金利は0.4%台からスタート。その後、7月と10月の2回にわたる柔軟化によって、一時は1%近くまで上昇した。しかし、11月以降の長期金利は、米国の長期金利の低下に合わせて低下傾向をたどった。このように、近年では最も変動の大きい年だったのではないか。
24年は日銀の金融政策正常化に向けた動きが意識される中、どこまで上値を試すかが注目だろう。ポイントは長期期待インフレ率がどこまで上昇するかだ。23年の期待インフレ率は1%強まで上昇したが、10年以降の最高値である1.4%を突破するのかどうか。鍵を握るのは賃金の動向だ。アベノミクス初期にも長期期待インフレ率は高騰したが、賃金の伸びが追い付かず、結局、高止まりは続かなかった。足元の賃上げ率がもう一段…
残り109文字(全文492文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める