インタビュー「投資初心者は明確な目的を持とう」篠田丈アリスタゴラ・アドバイザーズ会長
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富裕層向けの資産運用サービスなどを展開する独立系のコンサルティング・ファームのトップに、新NISAへの向き合い方について聞いた。(聞き手=安藤大介・編集部)
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── 新NISA制度について、顧客の反応は?
■関心は非常に高い。富裕層から見たら1800万円は、さほど大きな額ではないはずだが、税金がかからないというのは、やはり投資のインセンティブになるのだと思う。旧NISAの時には見向きもしなかったのに、「使ってみようか」となっている。
── 投資初心者も多く参入する。
■「つみたて投資枠」と「成長投資枠」に分かれているが、特に積立の「(長期で金融商品を購入し続ける)ドルコスト平均法」なら、多くの場合、得をする。ぜひやるべきだ。この対象が投資信託しか認められていないのは残念だ。本来、ドルコスト平均法はボラティリティーの高い商品に向いている。個別株が認められてもいい。
── 初心者の注意点は?
■投資の目的がはっきりしないまま、何となく投資を始める人が多いが、ここが一番大切だ。長期でリターンを上げたいのか、株主優待が第一なのか、短期でもうけたいのか、企業を応援したいのか。これによって、投資の結果の評価が変わる。きちんと考えておかないと、結果を何で評価していいか分からず、成功したかどうかも分からない。
「もうからなくても(金融に関する知識を学ぶ)金融リテラシーが上がればいい」でもいい。まずは目的だ。
── その他には?
■自分がどのくらい損に耐えられるのか、リスク許容度を知ることも重要だ。特に投資初心者は、一喜一憂しないこと。「自分は15%くらい損しても大丈夫」と思っていても、実際には10%でも耐えられないことが多い。何かしら自分で想定して始め、耐えられるかどうか知るのは、いい経験となる。
勝ちやすい長期投資
── 著書などで、投資戦略の基本を「長期」「分散」…
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週刊エコノミスト
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