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オーストリア造幣局CEOが語る「ウィーン金貨」販売急減のワケ 谷道健太
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オーストリア造幣局のゲルハルト・シュタールジッヒ最高経営責任者(CEO)が2月上旬、来日した。日本語では「造幣局」、英語では「ミント」が付く名称だが、1989年に政府機関からオーストリア国立銀行(中央銀行)の子会社に転換した民間企業だ。日本では貴金属商が販売する「ウィーン金貨ハーモニー」など金、銀、プラチナ製品のメーカーとして知られ、金貨造幣業界で世界5位以内の大手だ。
シュタールジッヒCEOによれば、同社の貴金属売上高は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を契機に急増した。2019年には約7億ユーロ(現行レートで約1130億円)だったが、感染が急拡大した20年3月のある日、「一夜にして売上高が10倍になった」。
3月後半から4月にかけて、同社は世界のミント(造幣当局)で唯一、金貨を供給できたという。シュタールジッヒ氏は「他のミントでは原料の金が枯渇する中、産地から特別機でウィーンに輸送できた当社だけが製造できた」と振り返る。21年も増収が続き、22年の貴金属売上高は造幣局…
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週刊エコノミスト
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