加速する非白人の民主党離れ 看板政策「弱者救済」も色あせ 山岸敬和
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民主党の岩盤支持層とされる黒人やヒスパニック系で、「バイデン離れ」が進んでいる。何が起こっているのか。
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バイデン大統領の支持率が低空飛行を続けている。戦後、再選に臨んだ大統領13人について、本選11カ月前の時点で支持率を比べると、バイデン氏は39%で、これよりも低かったのは、原爆使用を決断し、第二次世界大戦を終結させた33代大統領のトルーマンしかいない(1948年再選)。2020年選挙で敗れたトランプ氏でも45%あった。バイデン氏の低い支持率の原因は、高齢などといった個人的な問題やインフレに起因する部分もあるだろうが、それよりも深刻なのは、民主党の支持基盤が揺らいでいることである。
16年にトランプ氏が当選した重要な要因として、これまで民主党支持者であると考えられていた、米中西部中心のラストベルト(さびついた工業地帯)の白人労働者の多くがトランプ氏を支持したことが挙げられる。民主党はこれを取り戻すための方策を練ってきたが、奪還には至っていない。さらに最近では別の部分で民主党の土台が揺らいでいる。これまで民主党に対して最も忠誠心が高かった黒人の支持も失っているのだ。
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週刊エコノミスト
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