新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

国際・政治 トランプ再び

加速する非白人の民主党離れ 看板政策「弱者救済」も色あせ 山岸敬和

オバマ氏(左)と握手するバイデン大統領。オバマ氏と連携し、黒人票の取り込みを狙う(2022年4月)	ゲッティ=共同
オバマ氏(左)と握手するバイデン大統領。オバマ氏と連携し、黒人票の取り込みを狙う(2022年4月) ゲッティ=共同

 民主党の岩盤支持層とされる黒人やヒスパニック系で、「バイデン離れ」が進んでいる。何が起こっているのか。

>>特集「トランプ再び」はこちら

 バイデン大統領の支持率が低空飛行を続けている。戦後、再選に臨んだ大統領13人について、本選11カ月前の時点で支持率を比べると、バイデン氏は39%で、これよりも低かったのは、原爆使用を決断し、第二次世界大戦を終結させた33代大統領のトルーマンしかいない(1948年再選)。2020年選挙で敗れたトランプ氏でも45%あった。バイデン氏の低い支持率の原因は、高齢などといった個人的な問題やインフレに起因する部分もあるだろうが、それよりも深刻なのは、民主党の支持基盤が揺らいでいることである。

 16年にトランプ氏が当選した重要な要因として、これまで民主党支持者であると考えられていた、米中西部中心のラストベルト(さびついた工業地帯)の白人労働者の多くがトランプ氏を支持したことが挙げられる。民主党はこれを取り戻すための方策を練ってきたが、奪還には至っていない。さらに最近では別の部分で民主党の土台が揺らいでいる。これまで民主党に対して最も忠誠心が高かった黒人の支持も失っているのだ。

残り2405文字(全文2911文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事