《原油》中東緊迫化だと80ドル台前半まで値上がり 小菅努
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米ニューヨークWTI原油先物相場は、1バレル=70ドル台後半でもみ合う展開になった。中東情勢の緊迫化、特に紅海で武装組織フーシ派による商船への攻撃が続いていることが下値を支えている。ただし、需給環境には大きな混乱がみられないため、大きく値を切り上げる勢いはなく、高値ボックス相場にとどまった。米原油在庫は昨年12月中旬以来の高水準に達しているが、相場への影響は限定的だ。
3月も原油市場は中東情勢の影響を強く受ける展開になる。強い緊張状態が続けば、80ドル台前半まで値上がりする可能性もあろう。しかし、大規模な供給障害が発生しないのであれば急伸リスクは限定される。一方で、イスラエルとハマスの休戦合意が成立すれば、70ドル台前半まで急反落しよう。「OPECプラス」(石油輸出国機構加盟国と非加盟産油国で構成)の自主減産延長の議論が下値を支えているが、中東情勢をみながら7…
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週刊エコノミスト
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