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シリコンバレーに経産省が開いた起業家支援施設に漂う“時代遅れ”の空気 海部美知

起業家の拠点施設。元パン店とみられ、壁面にある「PALO ALTO BREAD」の表示が消されている(筆者撮影)
起業家の拠点施設。元パン店とみられ、壁面にある「PALO ALTO BREAD」の表示が消されている(筆者撮影)

 日本のスタートアップを支援する経済産業省の拠点施設「ジャパン・イノベーション・キャンパス」が、シリコンバレーのパロアルト市に開設された。約50社がコワーキングスペース(共有オフィス)として利用する。

 筆者も先日、施設を訪れる機会があった。起業への熱気を感じたが、「身の丈以上の大きな夢を語れ」といった雰囲気が気になった。こうしたセオリーは、少し前のように感じたからだ。

 これまでは壮大な夢(事業計画)を語り、投資を誘うベンチャーが多かった。シェアオフィス大手の米ウィーワークがその典型かもしれない。ユニコーン企業のシンボルとしてもてはやされたが、ずさんな経営と急速な事業拡大で経営破綻した。今は時代が変わり、「大風呂敷を広げる」経営手法には逆風が吹いている。ベンチャー投資が冷え込んでいる時期ということもあるが、それだけではない。

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