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経済・企業 バブル超え 日本の実力

株価4万円《私はこう見る》マネー資本主義が作った壮大なバブル 澤上篤人

 日経平均株価が34年ぶりに最高値を更新し、4万円に達した。今回の株高は地に足のついた上昇なのか、実力を伴わないバブルなのか──専門家に聞いた。(浜條元保/和田肇/荒木涼子・編集部)

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 史上最高値を更新した日経平均株価は、明らかにバブルだ。これがいかに凄(すさ)まじいか、歴史的な背景から説明しよう。結論を先に言えば、今は50年かけて日米欧の主要国中心に金融をジャブジャブにして作り出した巨大なバブルの最終局面に近づいている。このタイミングで始まった新NISA(少額投資非課税制度)はとても罪作りだ。今投資するのは危険過ぎる。

 過剰なマネーが供給する最初のきっかけは1970年代の2度のオイルショックだ。原油が1バレル=3ドルから12ドル、さらに30~40ドルへと跳ね上がり、非産油国は悲鳴を上げた。そこで各国が財政・金融政策での対応を余儀なくされた。それ以降、世界はマネーの過剰供給を加速させた。日本は円高回避に向け金融緩和をし続けて80年代後半のバブルへと突き進んだ。

 次は80年代に登場した年金マネーだ。膨れ上がる一途の年金マネーが株式や債券市場にどっと流れ込み、40年越しという空前の右肩上がり相場を築き上げた。そこへノーベル経済学賞を受賞したフリードマンらによるマネタリズム理論が加わった。金利をゼロにして資金を大量に供給しさえすれば、経済は成長するという理論だ。

 前回のバブルと違い企業業績はしっかりしていて、円安の追い風や東証による資本効率の改善要請など今の株高を正当化する理由を挙げる専門家がいる。私はまったくそう思わない。例えば、ROE(株主資本利益率)が、政府の目指す8%をクリアできる体質に改善されてきたという。

 しかし、まともな企業なら10年先を見据えた投資をする。投資を始めた数年は利益が出ず、ROEも下がる。この株価が下がっている局面が買い場だ。その後、先行投資が収穫の時期を迎えるとROEが改善し株価も上昇する。そこで利益確定するのが、まともな株式投資だ。配当を増やしたり自社株買いばかりをやって将来への投資をせずに、どうやって成長するのか、私は経営者に聞きたい。

まったく悲観していない

 いまはバブルだから、いつかはじける。それがいつかは50年以上投資の世界にいる私にも予測は難しい。だが、長期の金融緩和が作り上げた巨大なバブルだ…

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