株価4万円《私はこう見る》割高感なく急速な調整はない 新原謙介
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日経平均株価が34年ぶりに最高値を更新し、4万円に達した。今回の株高は地に足のついた上昇なのか、実力を伴わないバブルなのか──専門家に聞いた。(浜條元保/和田肇/荒木涼子・編集部)
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日経平均株価は4万円を超える水準が続いているが、短期的な過熱感はあるものの、この水準が割高とか、長期的な観点で過熱しているとは見ておらず、日本株がここからすぐに下落、スピード調整があるとは考えていない。
日本株に対して相対的に強気に見る姿勢を維持している。2024年末に向けて高い水準が維持されていくという予想に違和感はない。
三つの好材料
外国人投資家の間で日本株を再評価する動きが出ている。グローバルな投資家に接する米国企業の当社でも、長く注目度が低かった日本株について、議論されるケースが増えた。日本株に対する好材料が分かりやすいストーリーとしてそろっており、これまでの低評価の見直しも含めて買うというスタンスだ。
好材料とは、三つの要因の好循環だ。
一つ目は、円安やインフレ、賃金上昇といったマクロ経済面。企業の価格転嫁が進み、内需型企業でも利益率の改善に期待が出てきた。
二つ目として、東証による企業のガバナンス改革、PBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業に改善案を求める要請から企業が資本効率の改善に向けて実際に動いていることが大きい。
三つ目は、企業の自社株買いやMBO(経営陣や従業員が自社株式や事業を買収して独立する)に加えて、それらの期待を受けた外国人投資家、さらには新NISA(少額投資非課税制度)を背景とした個人投資家の投資意欲の高まりなどが、株式市場の需給状況の改善につながっていることだ。
これら三つの要素が相乗効果をもって好循環していることは、外国人を中心とした投資家にとって、株価にポジティブなストーリーとして非常に分かりやすくなっている。
日本人が買うか
いま日本株を買っている外国人投資家は、依然として短期売買をしていたり、日本株を低く評価してきた人たちによる見直し買いではないだろうか。注目度が高いのは、引き続き米国株、米国の景気、米国の金融…
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週刊エコノミスト
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