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《今週のポイント》日銀短観3月調査(4月1日)上野剛志

製造業の景況感は悪化へ

 4月1日に公表される日銀短観3月調査では、注目度の高い大企業製造業で景況感の落ち込みが示されそうだ。

 前回12月調査では、供給制約の緩和に伴う自動車生産の回復や円安を受けて3期連続の改善となっていた。しかし、年明け以降は品質不正問題によって自動車の生産・出荷が大規模に停止された。特殊要因とはいえ、自動車産業は裾野が広いだけに、多くの業種に悪影響が及んだと考えられる。一方、非製造業の景況感は、物価高による消費への影響が重しになるものの、株高による一部資産効果やインバウンド需要増などが支えとなり、引き続き堅調な推移が予想される。

 そうしたなか、特に注目されるのが今回から新たに集計・公表される来年度の「収益・設備投資計画」だ。年初以降、企業収益の改善期待などを受けて株価が急上昇したが、上場企業のみならず、中小企業も含めた幅広い企業を対象とする短観において、企業がどれほどの収益改善を見込み、前向きな投資を計画しているかが明らかになる。また、政府が推進している「賃上げのための価格転嫁」の動きを推し量る意味で、「販売価格判断DI…

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