《東京市場》年央に向け株価調整の可能性も 芳賀沼千里
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日本株は昨年11月から力強く上昇し、日経平均が2月22日に史上最高値を更新した。背景には、日本経済・企業の構造的な変化がある。
雇用情勢の逼迫(ひっぱく)を受け、今春闘では昨年を上回る賃上げが見込まれており、サービス価格が上昇している。日本経済のデフレ脱却の道筋が見え、企業が適正利潤を確保できる環境に入った。また、社外取締役の定着など企業統治の改善も寄与して、事業構成を見直す企業も増えている。企業間で格差はあるが、収益構造が強化されている。
予想株価収益率(PER)は16倍であり、1980年代末と異なり、日本株に割高感はない。ほぼ海外市場の平均的な水準である。需給関係も良好だ。外国人投資家は2015~22年に日本株を売り越しており、自社株買いを実施する事業法人がこの売りを吸収し、株価は上昇してきた。
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週刊エコノミスト
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