マーケット・金融 THE MARKET

《東京市場》米利下げが秋以降にずれ込み日本株上昇に弾み 三宅一弘

 世界経済の懸案であるインフレは大勢として適正レベルに向けて減速基調だが、あと少しのところで足踏み、下げ渋りの様相だ。主要国の雇用や物価指標は総じて堅調が続いているが、特に米国の上振れが顕著だった。それもあって米国の利下げに関する市場予想は大幅に後ズレし、秋以降との見方が大勢となっている。

 一方、欧州では物価減速に加えて景気停滞もあり3月にスイスが、5月にスウェーデンが利下げに踏み切り、ユーロ圏も6月に利下げする可能性が高そうだ。世界の金融政策は、日本など一部を除き、総じて利下げ局面に移行しつつある。

 日本は春闘で5%超の高い賃上げ率(うちベースアップ3.5%前後)が示されるなど長期デフレからの脱却の可能性が高まり、日銀は3月にマイナス金利撤廃など利上げを行った。今年下期に再利上げの見方が増えている。国内景気は自動車の減産や地震の影響などから一時的に落ち込んだが、4~6月期以降、「経済の好循環」が回る形で好転しよう。インバウンドの増加や、半導体関連などにおける国内外企業の投資活発化も支援材料だ…

残り448文字(全文901文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

6月25日号

2024年3月期決算で優劣 メガ 地銀 ネット銀第1部 業績分析&ランキング14 「金利ある世界」へ一変 112行の稼ぐ力に格差■杉山敏啓18 巨額の外債損失 きらやか、清水、農林中金… 運用能力で地銀二極化も■伊藤彰一21 ネット銀行 コロナ禍で資産規模が膨張 住宅ローンで存在感大きく■佐々木城夛 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事