《東京市場》為替の安定で最高値の再更新も 三井郁男
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日本株は新年度に入り、4月は利益確定や組み入れ比率調整の売りが多く出て軟調な展開が続いたが、売りはほぼ一巡した。為替も一時は円安に大きく振れたが、当局の介入により一方的な動きは収束しつつある。4月以降の調整で過熱感や割高感は修正され、今後は個別銘柄の業績動向などを吟味し銘柄選別を進めそうだ。
為替相場は大型連休中、一時1ドル=160円を超える円安となったが、為替介入で150円台前半まで円高が進んだ。緩和を継続するハト派的な日銀に対し、米国は今年に入りインフレ率低下が足踏みしたことで、年初は年3回だった米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しは1~2回に減少している。
日米金利差が縮小しにくいだけでなく、投資家は為替の変動率が高すぎるため業績予想もしにくい。しかし、当局の「円安けん制」により1ドル=160円が目先の円安の天井圏と見るなら、株式投資家は動きやすくなるだろう。当面の為替のレンジは145~160円程度と見ている。
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週刊エコノミスト
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