《東京市場》慎重な業績予想 当面株価の重し 芳賀沼千里
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今年4月以降、日本株は欧米株に比べて出遅れている。会社の保守的な業績予想が一因であろう。主要な3月期決算企業の新年度の経常利益予想は前年度比3.8%減と、市場予想を7.5%下回った。前年度の実績が良好であると会社は慎重な予想を示す傾向がある。会社の為替前提は1ドル=140円台半ばであるので、現状の為替水準が続けば、保守的な会社予想が上方修正され、株価が上昇すると期待されている。
ただし、会社が業績予想を上方修正する時期は、国内外経済が想定以上に強くない限り、秋口以降となるだろう。日本企業は資産効率を意識して、事業ポートフォリオ見直しを進めて収益性を改善させるとみるが、効果の発現には時間がかかる。今年度の業績には売り上げを決める景気動向が重要である。中国景気は循環的に回復しようが、厳しい不動産市況や少子高齢化を受けて回復力は強くない。米国ではインフレ率が期待通りに低下せず…
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週刊エコノミスト
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