マーケット・金融 THE MARKET

《東京市場》慎重な業績予想 当面株価の重し 芳賀沼千里

 今年4月以降、日本株は欧米株に比べて出遅れている。会社の保守的な業績予想が一因であろう。主要な3月期決算企業の新年度の経常利益予想は前年度比3.8%減と、市場予想を7.5%下回った。前年度の実績が良好であると会社は慎重な予想を示す傾向がある。会社の為替前提は1ドル=140円台半ばであるので、現状の為替水準が続けば、保守的な会社予想が上方修正され、株価が上昇すると期待されている。

 ただし、会社が業績予想を上方修正する時期は、国内外経済が想定以上に強くない限り、秋口以降となるだろう。日本企業は資産効率を意識して、事業ポートフォリオ見直しを進めて収益性を改善させるとみるが、効果の発現には時間がかかる。今年度の業績には売り上げを決める景気動向が重要である。中国景気は循環的に回復しようが、厳しい不動産市況や少子高齢化を受けて回復力は強くない。米国ではインフレ率が期待通りに低下せず…

残り546文字(全文937文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

10月8日号

いまこそ始める日本株第1部18 金利復活で「バリュー株」に妙味 高配当株や内需株が選択肢に■中西拓司21 「雪だるま式」に増やす 配当重視で3大商社に投資 株式で現役時代上回る収入に ■鈴木 孝之22 プロに聞く 藤野英人 レオス・キャピタルワークス社長「銘柄選びは身近なところから学び得るのも投資の [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事