主要金融15社アンケート――全社が10月までの利上げを予想 編集部
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注目される物価、金利、ドル・円、実質賃金、日銀の金融政策動向を主要金融機関15社に聞いた。回答締め切りは6月6日。
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長く低インフレ(物価上昇)が続いた日本に変化の兆しが見え始めている。原材料費や人件費増を商品やサービス価格に転嫁する動きが目立つようになった。賃金の上昇が追いつかない「悪い物価上昇」を指摘する声も少なくない。消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、コアCPI)は2年以上にわたり、日銀が目標とする前年同月比で2%を超えている。市民生活に影響するコアCPIは今後、どうなるのか。
直近の4月のコアCPIは前年同月比2.2%上昇。2024年10~12月期に直近値以下と予想したのは、オックスフォード・エコノミクスの1.8%、岡三証券(2.0%)、りそなアセットマネジメント(2.0%)の3社だった(表1)。オックスフォード・エコノミクスは「当面は食品価格中心に供給サイドの物価上昇圧力の減衰の影響が支配的ななか、エネルギー補助金終了の影響を除けばCPIインフレ率は低下傾向で推移する」とみる。
一方で、15社中11社が24年10~12月期のコアCPIを直近値(2.2%)以上を予想している。最も高い予想をしたのは、みずほ証券の3.1%だった。
物価は来年に向け低下
1年後の25年10~12月期はどうか。岡三証券を除き、14社が24年10~12月期より下落を予想する。下げ幅が最も大きく、水準も一番低い予想をしたのは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(R&C)で、2.4%から1.0%へと1.4ポイントの低下を予想する。同社は「CPIコアは、政策効果剥落・円安による輸入物価上昇で下げ渋り、24年中は2%超の状態が続くが、25年中は人件費増加分の販売価格転嫁が進むものの、エネルギーなど財の押し上げ効果が一巡するため2%を割り込む」とする。
長期金利の予想はどうか。6月5日時点で1.00%。24年12月末時点で、この水準を下回る予想はなかったが、オックスフォード・エコノミクスは最も低い同じ水準の1.00%を予想(表2)。次いで岡三証券とバークレイズ証券が1.05%と低い水準を見込む。バークレイズ証券は「長期金利は、日銀利上げによる短中期金利上昇、QT(量的引き締め)によるタームプレミアム拡大、海外金利上昇見通しを背景に緩やかな上昇圧力が続く見通しだ。円安長期化で日銀が一段とタカ派化する場合は上振れリスクが高まる」とみる。
24年12月末を最も高い1.50%を予想したのは、明治安田総合研究所、次に高いのは伊藤忠総研とみずほリサーチ&テクノロジーズ(R&T)の1.40%だった。みずほR&Tはその1年後を1.50%と予想。同社は「国債買い入れの減額も金利水準に配慮して緩やかなペースにとどめ、長期金利は1.50%程度まで上昇した後は横ばいとなる見込み」とする。
無回答のバークレイズ証券とりそなアセットマネジメント(AM)を除く13社が24年12月よりも1年後の長期金利を高く予想。最も高い予想は伊藤忠総研の2.00%。…
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週刊エコノミスト
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