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週刊エコノミスト Online 闘論席

日本の民主主義を終わらせないために 片山杜秀

撮影 武市公孝
撮影 武市公孝

片山杜秀の闘論席

 民主主義は成熟すればするほど、政治家個人よりも政党が目立つようになるはずだ。世の中は経済も社会も国際関係もどんどん複雑怪奇化してゆく。それに伴い、民意もややこしくなる。そんな人々の多様な意見を最大限尊重して、相異なる意見の最終的決裂や暴力を招かないのが、民主主義の理想的機能。その機能は政治家個人の担いきれるものではない。政治の主体はどうしても、お互いに政見の近い複数の政治家の連合体としての政党になる。もちろん政党を代表する政治家個人はいつだって居るのだが、それは誰かと常に取り替え可能で、個人のキャラクターが強すぎないに越したことはない。

 さらに言えば、理想的民主主義は個人や党の独裁を嫌うので、政党はそれなりの数が存在理由を明確にしつつ並立していなければならない。おのおのの政党は複雑な民意を自らの政見に即して言わば幕の内弁当化する。時代に合った、おいしい幕の内弁当はどれか。それを選びやすければ、政党政治がうまくいっているということだ。

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