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自民党総裁候補の乱立は何の兆しなのか 片山杜秀

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

片山杜秀の闘論席

 岸田内閣は「政治とカネ」の問題をきっかけとして自民党に派閥解消の流れを作り出した。それは功績だろうか。

 そもそも派閥とは? 学校を思い出そう。数人の学級なら全員が仲良く信頼しあえるかもしれない。でも数十人だったら? グループに割れるだろう。政党も同じだ。が、もしも左翼政党なら、どうすれば革命が可能か等々、理論的に色分けがなされる。派閥形成の原動力は人脈よりも理屈。イデオロギー政党の宿命だ。悪く言うと硬直化しやすく壊れやすい。

 でも自民党は違う。自由主義と民主主義、それから資本主義という、とてつもない主義ばかりの3本柱でできてはいる。が、どの主義も既に日本の現実に密着しているから、改めて理屈を探究せずとも困らない。理論がなくてもかたちになる政党を保守党という。

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