「世間とメンツ」が先送りする皇位継承問題 小林よしのり
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小林よしのりの闘論席
共同通信の全国世論調査結果によると、今や女性天皇を認めることに90%が賛成している。国民の9割が将来の「愛子天皇」に賛成しているのに等しい。天皇、皇后両陛下の長女愛子さまのご成長を見て、愛子天皇支持は増える一方なのだ。
わしが皇統は男系女系にこだわらない「双系」であると主張し、「皇統は男系のみ」とする男系固執派と論戦を始めてから、もう15年がたつ。その間、男系固執派の啓蒙(けいもう)は国民に浸透するどころか拒絶されており、時代が進めば進むほど、「男でも女でもいい、直系優先で、双系でいい」という考えになっていくばかりとなるのは間違いない。
そもそも皇統の男系主義を生んだのは明治の男尊女卑の感覚にすぎず、どうせ消えゆく因習でしかなく、全く伝統ではない。天皇の跡継ぎを決める法律として奈良時代から形式的には近世まで存続した「継嗣令(けいしりょう)」の「女帝の子も亦(また)同じ」という規定により、「女帝の子」つまり女系も、男系と「亦同じ」く皇位継承者とするルールが千年以上も生きていたのだ。にもかかわらず、一部政治家は男系に固執し、議論を拒…
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週刊エコノミスト
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