週刊エコノミスト Online 闘論席

今こそ変えるべきコメ農政 古賀茂明

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

古賀茂明の闘論席

「2024年産米は大幅な値上げか」という嫌なニュース。すでにコメの在庫が減少し、『日本経済新聞』によれば、収穫が早い宮崎県や鹿児島県の早場米は、異例の価格上昇を見せている。このままいけば、24年産米の価格も全般的にかなり上がる予想という。

 異常高温やインバウンド需要の拡大などの要因による在庫減少もあるが、本質的問題は日本の農政だ。米価維持のために、政府は「減反政策」でコメの作付けを削減する政策を続けた。18年の減反廃止後も、全国の主食用米生産量の目安を示し、転作した農家に高額補助金を出して主食用米の生産を抑制した結果、米価は高止まりしている。国民の税金を使って米価を上げるという、庶民から見ると踏んだり蹴ったりのひどい政策だ。

 本来は、生産を自由化し、優秀な農家が価格を下げれば、コメの需要は今より増える。小麦などの輸入農産品が高くなる中で、国産米価格が下がれば庶民の助けになり、輸入代替が進むことで食糧安全保障にも貢献できる。

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