《今週のポイント》6月の毎月勤労統計調査(8月6日)上野剛志
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賃金上昇はさらに加速するか
物価上昇率の高止まりを受けて、物価変動を考慮した実質賃金の前年比マイナスは5月で26カ月連続と過去最長を更新している。一方で今年の春闘では、定期昇給込みの賃上げ率が5.10%、ベースアップ(ベア)相当分のみで3.56%と記録的な伸びとなり(連合集計)、今後は賃上げの反映が実質賃金プラス化のカギとなる。低迷する個人消費や日銀による追加利上げの行方を占ううえでも見逃せない。
5月の毎月勤労統計(速報)で直近の賃金動向を確認すると、名目賃金である現金給与総額は前年比1.9%と11カ月ぶりの伸びとなった。現金給与総額は残業代やパート比率の変動で基調がつかみづらいことから、一般労働者の所定内給与に限ると、同2.7%と着実に伸びが高まっている。春闘でのベア拡大が反映されつつあるとみられる。
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