ネット銀を徹底比較 住宅ローン借りるならどこ? 大山弘子
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一口にネット銀行といっても、金利やサービスの水準はさまざま。住宅ローンの借り入れを考えている人を想定し、住宅ローンの取り扱いが多い住信SBIネット銀行、auじぶん銀行、ソニー銀行の3行を比較してみた。
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「銀行選びが極めて重要な時代になった。日銀がマイナス金利政策を解除し、“金利のある時代”になったからだ」。ファイナンシャルプランナーで、情報サイト「オールアバウト」の預金・貯金ガイドを務める鈴木弥生氏はそう説明する。
定期預金の利息はもちろん、現金自動受払機(ATM)や振り込みの手数料、それに住宅を購入する予定がある人は住宅ローンも銀行によってかなり違いがある。住宅ローンは金利だけでなく、手続きにかかる諸費用や、ほとんどの銀行が加入を必須とする団体信用生命保険の保障内容にも着目したい。鈴木氏は「これらの点で比較すると、インターネットやスマートフォンでの取引に特化したネット銀行が有力候補に挙がる」と指摘する。
東京都に住む会社員男性のAさん(40)を例に、使い勝手のいいネット銀行を検討しよう。Aさんの家族は会社員の妻(40)と長女(4)の3人。夫婦の年収は計1400万円(額面)、預金は1200万円だ。賃貸住宅に住んでいるが、持ち家を近く購入し、長女の教育費をためるため、資産の一部を定期預金に移す予定だ。
利息はメガの3倍近い
そんなAさんに合うネット銀行を探そう。比較する際のポイントは①定期預金の利息、②ATMや振り込みの手数料、③住宅ローン──の三つだ。今回は住宅ローンの取り扱いが多い住信SBIネット銀行、auじぶん銀行、ソニー銀行のネット銀行3行を対象に、三つのサービスを比較してみた。
■定期預金の利息
預け入れ金額が300万円以上で満期期間の定めがある「スーパー定期300」(預け入れ期間1年)を比べると、表1の3行が上位に並んだ。
1000万円を1年間預けた場合、1年後に受け取る利息(税引き前)はメガバンクだと1万2500円だが、住信SBIネット銀行、auじぶん銀行、ソニー銀行のネット銀行3行は3倍近い(8月26日現在。ただし、三井住友銀行と三菱UFJ銀行は9月2日改定の金利)。これだけの差があれば、ネット銀行を利用しない手はない。
■振り込み・ATM手数料
三菱UFJ銀行の場合、夜間や休日にセブン─イレブンのATM(セブン銀行)で出金するには、手数料が330円かかる。この条件で毎月1回使うと、1年間に負担する手数料は3960円。定期預金に1000万円預けて手にした利息の3割がATM手数料で消えてしまう。AさんはコンビニATMの出金と他行への振り込みをそれぞれ月2回ほど利用し、手数料が年数千円になることを気にしている。
そこで利用したいのが「優遇プラン」だ。銀行の多くは預金者の資産残高や住宅ローンの利用状況などに応じてATM手数料を無料にするなどの優遇をしている。「優遇の内容が自分に合う銀行に給与振込口座やクレジットカードの引き落とし口座を設けて優遇プランのランクを上げれば、ATM手数料を負担せず出金できる回数が増える」(鈴木氏)
住信SBIネット銀行、auじぶん銀行、ソニー銀行のネット銀行3行に1000万円を定期預金した場合、優遇プランが適用され、振り込みやATMの手数料を無料にできる(表2、3)。例えば、住信SBIネット銀行で住宅ローンを組めば優遇プランのランクが1段階上がり、ATM出金と他行宛て振り込みが月10回まで無料になる。
■住宅ローン
Aさんは4000万円程度のマンションの購入を考えている。預…
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週刊エコノミスト
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