ネット銀行トップに聞く「AI審査の住宅ローンで圧倒 オープンに企業とBaaS提携」円山法昭・住信SBIネット銀行社長
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まるやま・のりあき 1965年福井県出身。89年神戸大学卒業後、東海銀行(現三菱UFJ銀行)入行。2000年イー・ローン(現SBIホールディングス)入社。SBIモーゲージ(現SBIアルヒ)社長CEO(最高経営責任者)などを経て、14年4月住信SBIネット銀行社長(CEO)。59歳。
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── 昨年3月にネット銀行として国内で初めて東証スタンダード市場に上場し、初の通期決算となる2024年3月期の純利益は248億円と前期比24.6%増だった。足元の業績の評価は。
■ほぼ計画通りの進捗(しんちょく)だ。住宅ローンを中心とする「デジタルバンク事業」の利益は2ケタ以上の伸びを続け、「BaaS(バース=Banking as a Service、サービスとしての銀行機能提供)事業」も23年3月期に黒字化を達成して以降、成長のスピードを速めている。ROE(株主資本利益率)は17.5%と、25年3月期の目標(17%)を達成した。26年3月期には20%を超えると思うので、銀行業界では突出した数字になるだろう。
── 中でも、24年3月期の住宅ローン新規実行額は1兆7386億円と国内トップで、前期比17%増と伸びが著しい。強みはどこか。
■AI(人工知能)を中心としたテクノロジーが圧倒的に優れていることだ。審査スピードがほぼ1秒になって仮審査の結果はほぼ即日に出せるし、審査担当の人員も10分の1以下に縮小でき、コストが圧倒的に下がった。個人事業主などを除けば、日本の銀行で唯一、我々だけがほぼ完全にAIで審査をしている。人による審査のブレがなくなった結果、向こう1年の間に債務者がデフォルト(債務不履行)する確率は0.15%と、業界最低水準だ。
── 住宅ローンは顧客…
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週刊エコノミスト
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