ネット銀行トップに聞く「KDDI主導で業績伸長も他行にはまだまだ及ばない」田中健二・auじぶん銀行社長
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たなか・けんじ 1978年東京都出身。2001年中央大学法学部卒業後、プロミス(現SMBCコンシューマーファイナンス)入社。06年SBIホールディングス入社。15年KDDI入社。19年じぶん銀行(現auじぶん銀行)執行役員などを経て、24年4月社長就任。45歳。
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── auじぶん銀行の2024年3月期単体決算は、純利益が120億円と過去最高を記録した。今年4月には預金残高4兆円を突破し、住宅ローンの融資実行額も6月に4.5兆円を突破するなど伸びているが、業績をどう評価しているか。
■確かに伸びているが、他のネット銀行に追い付けているかというと、まだまだだ。経常利益(単体)では楽天銀行の500億円、住信SBI銀行の336億円、ソニー銀行の240億円、それに次ぐのが我々(170億円)かPayPay銀行(102億円)というところだ。楽天銀行は楽天経済圏をフル活用し、住信SBIネット銀行は住宅ローン、ソニー銀行は外貨預金で特徴を出している。
── ただ、auじぶん銀行は過去3年で資産規模が倍増している。その要因は?
■株主の構成の変更が大きかった。19年4月にKDDI100%子会社のauフィナンシャルホールディングスの連結子会社となり、KDDIと三菱UFJ銀行の折半出資から大きく変わった。社名も20年2月に「じぶん銀行」から「auじぶん銀行」へと変更し、それまでの誰も責任を取らなかったような体制から、KDDIが責任を持って利益を伸ばしていく体制へと変わった。
── 中でも、貸し出しの大半を占める住宅ローンに注力した理由は?
■我々は規模の小さい銀行なので、法人向け融資で大きなリスクを取ることはリスク管理上できなかった。個人向けのローンはカードローンな…
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週刊エコノミスト
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