ネット銀行トップに聞く「大和証券と連携で富裕層特化 “顔の見えるネット銀行”に」下村直人・大和ネクスト銀行社長
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しもむら・なおと 1966年東京都出身。88年中央大学法学部卒業後、大和証券入社。2016年大和証券常務執行役員、19年専務などを経て、23年4月大和ネクスト銀行社長就任。58歳。
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── 大和ネクスト銀行は2024年3月期、総資産が前期比23%増と6兆2000億円を超え、地銀中位行並みの規模になった。その要因は?
■我々は大和証券グループ本社の100%子会社で、大和証券に口座を持っていることが大和ネクスト銀行に口座開設できる条件だ。「資産運用立国」という政府の掛け声の下、投資家のすそ野が広がって大和証券に入る資金が増え、銀行の預金も増加して資産規模が拡大した。株式市場が活況だったため、値上がりした株式などを売却した顧客の資金が我々の預金に入ってきたことも大きい。
── ただ、純利益は73億円を計上した一方、246億円の国債等債券売却損などで業務粗利益は11億円の赤字となった。
■我々としては、有価証券のポートフォリオ(運用資産の組み合わせ)全体で利益を上げればいい。株式等売却益では218億円を計上しており、業務粗利益の赤字は(国債等債券損益のみを加味するため)会計上のテクニカルな問題だと考えている。保有有価証券の評価損益も、ヘッジ取引をしているため全体では評価益だ。
あおぞらと相互補完に
── 他のネット銀行はポイント経済圏の中で個人の決済口座を獲得したり、住宅ローンで残高を伸ばしたりするビジネスモデルだが、大和ネクスト銀行の特徴は?
■我々の顧客層の中心は年齢も資産も積み重ねてきた富裕層で、預金の性格は生活資金の決済ではなく運用するための資金だ。そうして預かった資金を市場運用に特化して運用しており、証券会社のグループ銀行なので運用には自信を持…
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週刊エコノミスト
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