《東京市場》石破ショックは短期収束で株価持ち直しへ 三井郁男
有料記事
自民党総裁選で、法人増税や金融所得課税の強化などを掲げた石破茂氏が勝利し株急落と円高が進んだ。しかし、党役員人事や組閣で石破色は控えめな布陣で株価の動揺は短期で収束した。
10月27日投開票で衆議院選挙に突入するが、自民党が大きく変わったイメージはなく支持率がどこまで上昇するかは不透明だ。マスコミ各社の支持率調査も50%強と過去の内閣発足時の支持率と比べかなり低い。自民党総裁選から衆議院解散期間は株価が上昇するアノマリー(経験則)があるが、支持率が上がらなければ、その出現は小さくなりそうだ。「高付加価値創出型経済」や「投資大国日本」を目指すとするが具体的な内容や政策の提示が重要だ。
政局で揺れた株式市場だが、やはり重要なのは景気と企業業績の動向だ。米連邦準備制度理事会(FRB)の雇用市場の悪化に先手を打つ利下げが9月から開始され、ソフトランディングの可能性が高まってきた。中国は高い失業率や所得環境の悪化が続いているが、総合的な経済対策を発動した。米中経済の安定は世界経済の安心材料だ。
残り491文字(全文940文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める