《NY市場》現状の「インフレ率低下に伴う利下げ」は非通常パターン 堀古英司
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米国の中央銀行、米連邦準備制度理事会(FRB)の使命は、①インフレ抑制、②雇用の最大化、③長期金利の安定である。インフレが抑制されれば長期金利は安定するから、通常FRBには①と②の二つの責務(Dual Mandate)があるとされている。そしてFRBは通常、景気の良い時は①を重視して金利を引き上げ、景気が悪化してくると②を重視して金利を引き下げる。確かにこれは「通常」のパターンだ。
しかし今回は「通常ではない」パターンだ。インフレが十分に抑制されたから利下げを開始している。歴史的にはこのパターンの利下げは40年以上さかのぼらなければならない。多くのエコノミストや市場関係者が、利下げ局面→リセッション、と思い込んでいる理由はここにある。FRBが目標にしているインフレ率であるコアPCE(個人消費支出)デフレーターは2.7%。実質金利が1%とすると、景気の動向に関係なく、3.5%…
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週刊エコノミスト
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