《穀物》南米好天だと年初来安値更新も 小菅努
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米シカゴ穀物先物相場は、収穫期を迎えて上値の重い展開が続いている。8月の安値は上回ったが、トウモロコシが1ブッシェル=4ドル、大豆が同10ドル水準での攻防だ。今季は理想的な生産環境が実現し、ともに5年ぶりの高い在庫水準になることが決定的となっている。9月はブラジルの干ばつ傾向を手掛かりに買いが膨らむ場面もみられたが、10月に入ると降雨で相場は売りが優勢となった。
年末に向けて上値の重い展開が維持される見通しで、潤沢な新穀在庫が市場に出回る状況になろう。価格低下で輸出が拡大していることはポジティブな要因だが、それは値下がりにブレーキを掛ける効果にとどまる。焦点は南米の作付け・生育環境にシフトしていく。干ばつ傾向が回避されるのであれば、年初来安値更新の可能性も想定したい。一方で、干ばつによる生産障害が警戒される状況になると、一気に安値修正が進む可能性がある。…
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週刊エコノミスト
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