いまこそロシア音楽を聴こう 総勢50人超による4時間の公演開催! 梅津時比古
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クラシック 日本・ロシア音楽家協会創立40周年記念コンサート
日本のクラシックの演奏界にはいくつかの足かせがある。
ひとつには、新人ばかりに光が当たり、その時代を過ぎると無視されがちなこと。音楽界の充実、発展のためには、老若バランスの取れた演奏会が必要だろう。
もうひとつには、クラシックは世界情勢に関係無いように見えて、実際にはそれを反映していることである。
たとえば、プーチン体制のロシアが欧米で四面楚歌(そか)になると(指揮者のヴァレリー・ゲルギエフは完全に欧米から抹消された)、日本の音楽界も微妙にそれを反映する。ロシア音楽を研究する若手も少なくなり、ロシア音楽を専門的に演奏する個人、団体もあまり見かけなくなる。ロシア、ましてや、ソ連共産党時代の「ソヴィエト音楽」は、放っておかれる。ロシアは昔から音楽の宝庫で、日本は多大な影響を与えられたにもかかわらず。
このような状況で、長い間、ロシア音楽を続けてきた演奏家はなおざりにされがちである。
だからこそ、今、ずっとロシア音楽を続けてきた演奏家こそを紹介したい。彼らしか醸し出せないロシアの味があるからである。
「日本・ロシア音楽家協会創立40周年記念コンサート」が開かれる(11月16日16時開場、めぐろパーシモンホール大ホール)。同協会は、声楽部会、器楽指揮部会、作曲部会、学術部会と多岐にわたり活動を続けてきたが、その総力をあげて今回のコンサートに臨む。
出演者や曲は多士済々だが、そのすべての演奏家がロシア音楽を愛し、栄養にして成果を上げてきた人たちである。
1972年に日本音楽コンクールで優勝して以来、一貫してロシア歌曲やオペラを続…
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週刊エコノミスト
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