教養・歴史 アートな時間

90年代の韓国プサンが舞台の金と暴力の政治サスペンス 寺脇研

©︎2023 PLUS M ENTERTAINMENT AND TWIN FILM/B.A.ENTERTAINMENT ALL RIGHTS RESERVED.
©︎2023 PLUS M ENTERTAINMENT AND TWIN FILM/B.A.ENTERTAINMENT ALL RIGHTS RESERVED.

映画 対外秘

 裏金疑惑、公共事業を巡る不正行為、それを暴く公益通報の握りつぶし……。まるで今の日本政界の有り様みたいだが、これは1992年の韓国社会における政治状況を描いた映画である。パク・チョンヒからチョン・ドハンの軍事政権時代こそ終わってはいたものの、軍人出身のノ・テウが民主派を抑え大統領に君臨していた頃だ。

 表向きは民主主義でも、まだまだ成熟しておらず、買収など不正選挙がまかり通っていた。そんな中、プサン市内の選挙区で与党から初公認を得て当選を目指す候補者が主人公として登場する。街頭演説では弱者に寄り添い正義を貫くと言いながら、ポケットには現金を詰めた封筒を携え、選挙資金は暴力団金融に頼らざるを得ない。

残り910文字(全文1218文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

11月12日・19日合併号

日立 ソニー パナソニック 復権の道のり18 パナソニックは「買い」か「売り」か 日立、ソニーに続く復活の試金石■浜田健太郎21 インタビュー 入山 章栄 早稲田大学ビジネススクール教授「経営者に必要なビジョンの提唱力 要諦はポートフォリオ運営にあり」 22 インタビュー 冨山和彦 パナソニックホー [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事