稲盛経営を聞く「悩んだ時に戻るフィロソフィ」清水かおり 日本航空・意識改革推進部長
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京セラの創業者で、KDDI設立や日本航空再建にも関わった故・稲盛和夫さんが、自らの経営体験に基づいて提唱した経営哲学は、多くの経営者や企業に影響を与え続けている。(聞き手=安藤大介・編集部)
清水かおり(しみず・かおり) 1966年生まれ。87年桜美林短期大学英語英文科卒業、日本エアシステム入社。JALエンジニアリングなどを経て、2022年4月から現職。
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──「JALフィロソフィ」が行動指針になっている。
■2010年1月の経営破綻から1年後、日本航空はJALフィロソフィを制定した。企業理念の実現のため、社員が持つべき意識、価値観、考え方を言語化したものだ。「一言一句覚えてその通りにやる」というものではなく、「人間として何が正しいかで判断する」ということがベースになっている。同じ業績を上げるにしても、人間として正しい判断を積み重ねた結果、成し遂げられたのかということを大切にしている。
2部構成で全40項目がある。各項目の下に、それはどういう行動なのかということが書かれている(枠内参照)。中身を見て、「自分の行動のここが足りなかった」「知らない間にこういうことができていた」ということを振り返るネタのようなものだと思っている。
人間として何が正しいかで判断する フィロソフィの根本にあるのは、「人間として何が正しいか」ということです。「正直であれ」「うそをつくな」「人を騙すな」「約束を守る」「他人を思いやる」といったような、子供の頃、親や学校の先生から教わった非常にベーシックな道徳観のことでもあります。「なんだあたりまえのことではないか」と感じるぐらい当然のことに思えますが、実際にこのことを100パーセント実行できている人はいないのではないでしょうか。 常に「人間として何が正しいか」を自らに問い、勇気をもって正しいことを貫いていくことが大切なのです。(出所)JALフィロソフィより編集部抜粋、作成
自分で考えさせる
── 経営再建のため、日本航空会長に就任した京セラ名誉会長の稲盛和夫氏の判断で作ったのか。
■当時を知る幹部に聞くと、稲盛さんは「あなたたちに…
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週刊エコノミスト
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