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経済・企業 深層真相

JR九州が日韓航路事業から撤退へ 高速船の浸水対策難しく 

福岡海上保安部が船舶安全法違反(臨時検査不受検航行)と海上運送法違反(安全管理規定違反)の容疑で家宅捜索に入ったクイーンビートル(福岡市博多区で2024年10月17日)
福岡海上保安部が船舶安全法違反(臨時検査不受検航行)と海上運送法違反(安全管理規定違反)の容疑で家宅捜索に入ったクイーンビートル(福岡市博多区で2024年10月17日)

 JR九州が、博多港と韓国・釜山港を結ぶ高速船事業について、撤退の方向へとかじを切った。船体の浸水対策が難しく、苦渋の判断につながった。

 高速船は502人乗りの「クイーンビートル」。新型コロナウイルス禍の2020年に完成し、22年11月に日韓航路に投入されたが、船首付近の浸水が続いていた。その後、運航子会社が浸水トラブルを国土交通省に報告せずに運航していたことが発覚し、運休に追い込まれていた。

 JR九州や運航子会社は再発防止策を示し、JR九州の古宮洋二社長は「安全に運航できる状態になれば再開したい」と意欲を口にしていた。だが、検討を進める中で、浸水の再発防止が想定以上に難しいことが浮き彫りになった模様だ。航路は最盛期の04年度には35万人が利用したが、10年代に格安航空会社との競合で利用が低迷していた。コロナ禍で他の船を売却して1隻体制になっていたことも判断に影響したとみられる。

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