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「いい人過ぎるにもほどがある」剣の達人を菊之助が初役で演じる22年ぶりの通し上演 小玉祥子

左から中村時蔵、尾上菊之助、尾上菊五郎、坂東彦三郎 国立劇場提供
左から中村時蔵、尾上菊之助、尾上菊五郎、坂東彦三郎 国立劇場提供

舞台 通し狂言 彦山権現誓助剣

 尾上菊五郎劇団主体の国立劇場主催による歌舞伎公演「彦山権現(ひこさんごんげん)誓(ちかいの)助剣(すけだち)」が、新国立劇場中劇場で上演されている。天明6(1786)年に初演された仇討(あだう)ち物の傑作である人形浄瑠璃の歌舞伎化。東京では2002年の国立劇場公演以来、22年ぶりの通し上演で、主役で心優しき剣の達人・毛谷村(けやむら)六助(ろくすけ)を今年、八代目尾上菊五郎を襲名する尾上菊之助が初役で演じ、周囲を固める俳優も初役ぞろいの清新な公演だ。

 大名・郡(こおり)家の剣術指南役、吉岡一味斎(いちみさい)が試合での負けを恨んだ京極内匠(たくみ)に闇打ちされる。仇討ちを決意した一味斎の娘のお園は母お幸(こう)、妹お菊と共に内匠の後を追う。明智光秀の亡霊から自身がその遺児であると知らされた内匠は遺志を継いで真柴久吉の命を狙うことを誓う。お園は内匠と巡り合って…

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