「減反廃止」の内実 変わらぬ米価維持は需要減らす=吉田俊幸
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1970年以来50年近く続いてきた、コメの生産調整、いわゆる「減反政策」が2018年から「廃止」されたといわれている。国がコメ生産への関与をやめたと思うかもしれないが、実際はそう単純ではない。
昨年度までは、国がコメの生産目標の上限を決め、都道府県、市町村を通じて、生産者に生産目標数量を配分していた。この目標数量を順守することで、生産者には国から10アール当たり7500円の直接支払い補助金が支払われた。
今年度から国による生産目標数量の配分は廃止され、主食用米への補助金もなくなった。代わりに国が各都道府県にある「農業再生協議会」を通じて生産量の「目安」を生産者に示す仕組みに置き換わった。
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週刊エコノミスト
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