ロシア 大統領の説得も実らず 年金改革に国民が反発=大前仁
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9月に入っても汗ばんでしまう日曜日の午後。モスクワ中心部「プーシキン広場」には政府が進める年金改革に抗議する国民が集まった。「我々から取り上げる年金は(プーチン大統領の)友人たちに渡されるに決まっている」(26歳の男性)。「35年も働いてきたけど、最低レベルの年金しかもらっていない」(57歳の女性)。集会開催を認めない警察が広場を取り囲み、解散するよう警告していたが、参加者は反対の声を上げ続けた。
年金基金窮乏のため、ロシア政府が6月に発表した年金改革案に対し、国民の不満と怒りは一向に収まらない模様だ。改革案では年金支給開始年齢について、男性が60歳から65歳へ、女性は55歳から63歳への引き上げを明記している。そしてプーチン氏は当初、この問題から距離を取り、自らが批判を受けないように試みていた節がある。しかし8月末にはテレビ演説に臨み、女性の支給開始年齢について、当初案の63歳から60歳…
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週刊エコノミスト
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