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消費増税でじわじわ進む年金目減り=星野卓也

 

安倍晋三首相は消費税率10%への引き上げ実施を表明した。消費への影響が日本経済を考える上での焦点となっている。

 高齢化とともに、消費を左右する重要な要素となっているのが年金給付の動向だ。年金は毎年改定率に応じて変わる仕組みになっており、改定率は図1で示す物価変動率、名目手取り賃金変動率に応じて決まる。これらを決める際の重要な変数の一つが、消費者物価上昇率(総合)であり、消費税率の引き上げはこの変化を通じて年金給付の水準に影響を及ぼすことになる。

 改定率の計算式は過去の数値を用いる複雑なもので、経済情勢の変化が年金改定率に及ぶまでにはタイムラグが生じる。具体的には、年金改定率の計算には、「1年前の消費者物価上昇率」や「2~4年前の実質賃金変動率の平均」が用いられている。このため、2019年10月の消費税率引き上げの場合、19、20年度の消費者物価が押し上げられ、その影響は24年度の年金改定率にまで及ぶことになる。

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