景気調整の出口は近づいている=藻谷俊介
米国株式の急落により、一定のレンジで上下していた世界の株式市場にも、再び下押しの圧力が出てきた。下落の勢いが近年まれに見るものであったゆえに、楽観的だった米国の金融市場でも、来たるべきものが来たと悲観する声が強まっている。連載一覧
しかし、経済指標を見ると、特に今、悪化が深刻になっているわけではない。つまり、新たに出てきたバッドニュースではないのである。ひとり能天気だった米国を例外として、アジアや欧州ではとうに現実化していた景気調整が遅れて反映したと言えるだろう。米国勢が、いわば市場における最後の楽観論者であり、それが悲観側に移ってきたことで、むしろ間もなく1年になる世界景気の調整も、最終段階に入ったと考えるべきである。
貿易戦争はどうなるのか、といぶかしむ読者もいるだろう。10月の米国株価急落に際しても、貿易戦争への懸念が報道上は第一の理由として挙げられている。
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週刊エコノミスト
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