外国人が押し上げる労働力人口=斎藤太郎
団塊の世代が2007年に60歳に到達することが意識され始めた05年ごろから、日本は深刻な人手不足に陥ることが懸念されるようになった。実際、最近の企業の人手不足感はバブル期以来の高さとなっているが、想定されていた人手不足とはその中身が大きく異なる。
当時は団塊世代が一斉に退職することで働き手がいなくなり、企業が人を雇いたくても雇えなくなるというものだった。しかし、現在の人手不足は、働く人が増えるなかでも企業がそれ以上に人を雇いたいと考えるために生じている。労働力人口は13年から5年連続で増加し、18年も増加することが確実だ。想定されていた人手不足と比べれば深刻度は低いと言ってもよいだろう。
労働力人口は人口(15歳以上)×労働力率で求められる。このうち、女性、高齢者の労働力率上昇が労働力人口を押し上げていることは言うまでもないが、意外と認識されていないのは、人口の減少ペースが想定よりも緩やかであることだ。
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週刊エコノミスト
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