週刊エコノミスト Onlineワイドインタビュー問答有用

「浮き玉製造100年の火を消したくなかった」浅原宰一郎=浅原硝子製造所代表 問答有用/718

 明治から昭和にかけて北洋漁業の隆盛に一役買ったのが、網を浮かせるために使われたガラス製の浮き玉。製造技術を確立した浅原硝子の初代・久吉氏から、宰一郎氏は4代目にあたる。

(聞き手=元川悦子・ライター)

連載一覧

「浮き玉製造100年の火を消したくなかった」

「手で直接触れない液体ガラス。高度な集中力が必要で、その扱いにくさが最大の魅力」

── 小樽ガラスの元祖と位置付けられるのが、漁業用の浮き玉(ブイ)だそうですね。

浅原 私の曽祖父に当たる初代・久吉が創業した明治時代、漁業用の浮きは木や竹で作られていました。水産試験場から「もっと安く、軽く、加工しやすく、海水の色に溶け込むような透明感あるガラスで製造できないか」という依頼があり、「宙吹き」という技法を編み出したのです。

残り4970文字(全文5305文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事