「浮き玉製造100年の火を消したくなかった」浅原宰一郎=浅原硝子製造所代表 問答有用/718
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明治から昭和にかけて北洋漁業の隆盛に一役買ったのが、網を浮かせるために使われたガラス製の浮き玉。製造技術を確立した浅原硝子の初代・久吉氏から、宰一郎氏は4代目にあたる。
(聞き手=元川悦子・ライター)
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「浮き玉製造100年の火を消したくなかった」
「手で直接触れない液体ガラス。高度な集中力が必要で、その扱いにくさが最大の魅力」
── 小樽ガラスの元祖と位置付けられるのが、漁業用の浮き玉(ブイ)だそうですね。
浅原 私の曽祖父に当たる初代・久吉が創業した明治時代、漁業用の浮きは木や竹で作られていました。水産試験場から「もっと安く、軽く、加工しやすく、海水の色に溶け込むような透明感あるガラスで製造できないか」という依頼があり、「宙吹き」という技法を編み出したのです。
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