テクノロジー 特集
乳がん 免疫療法薬の治験に成功したロシュ 新薬で巨大市場狙う第一三共=長谷川友恵 がんに勝つ薬
有料記事
日本人女性の部位別がん罹患(りかん)数1位の乳がんは、5年生存率90%とがんの中ではかなり治療後の経過が良い。しかし、国立がん研究センターによると、乳がんの患者数、死亡者数はともに年々増え続けており、2016年の乳がんの死亡者は1万4015人だった(図1)。製薬会社にとっては市場性が見込める分野でもあり、治療薬の研究開発が活発に行われている。
乳がん治療は外科手術による切除が基本だが、再発・転移の予防・治療では放射線治療と薬物療法を組み合わせる。治療で使用される乳がんの薬は大きく三つに分類できる(図2)。一つは女性ホルモンの「エストロゲン」「プロゲステロン」の影響でがんが増える「ホルモン感受性」で、患者の3分の2がこのタイプと言われている。治療は女性ホルモンを抑制する「ホルモン療法」が中心だ。
残り1969文字(全文2321文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める