テクノロジー

前立腺がん 重粒子線でがん狙い撃ち 保険適用で選択肢増える=渡辺勉 がんに勝つ薬

大阪重粒子線センターの加速器(大阪国際がん治療財団提供)
大阪重粒子線センターの加速器(大阪国際がん治療財団提供)

 日本発のがん治療の技術である重粒子線治療。放射線治療の一つだが、「加速器」と呼ばれる装置で、エネルギーを高めた重粒子線でがん細胞を破壊する。水素原子核を加速して作るのは陽子線だが、より重い原子、炭素原子核を加速して作るのが重粒子線。体の奥深くまで直進し、病巣を狙い撃ちできるため、周辺の正常細胞への影響が少ない。また、従来の体の表面近くで作用するエックス線や陽子線より、体の奥で作用するため、がんを殺す力が強いとされる。

 重粒子線治療は、検査など一部で保険が使える先進医療に指定されているが、約300万円の治療費は自己負担となる。2016年4月、骨軟部腫瘍に初めて保険が適用され、18年度から頭頚部(とうけいぶ)がんの一部と前立腺がんにも適用が拡大された。現在、10月に治療を始めた「大阪重粒子線センター」(大阪市中央区)を含めて全国に6施設がある。

残り969文字(全文1345文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事