台湾 福島産の食品禁輸 解禁巡り住民投票へ=福岡静哉
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台湾は東日本大震災に伴う福島第1原発事故後、福島など5県からの食品禁輸を続けている。その台湾で11月24日、禁輸継続の賛否を問う住民投票が実施される。投票率25%以上で賛成が反対を上回れば、蔡英文政権は今後2年間、原則として解禁ができなくなり、日台関係に大きな打撃となる。
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住民投票を求める署名を主導したのは野党・国民党。5県産食品への不安をあおり、解禁に前向きな蔡政権を攻撃するためだ。台湾世論は食品の安全に敏感で、蔡氏は解禁に踏み切れずにいる。
日本側は繰り返し解禁を要求してきた。3月に安倍晋三首相の側近、萩生田光一幹事長代行が訪台。陳建仁副総統に安倍首相の親書を手渡した。関係筋によると、食品問題の解決を強く求める内容だったという。だがその後も台湾側に動きはなかった。5月には自民党の親台派が訪台を計画したが「首相官邸側からの要請で中止になった」(政府関係者)。日本側の強い不満を伝える狙いがあったとみられる。親台派のある自民党議員は「解禁…
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週刊エコノミスト
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