米ドルへの資金避難が間接的に日本にも影響
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米国長期金利の高止まりの要因は、期待インフレ率上昇ではなく、もっぱら実質金利とされる物価連動国債利回りの上昇である。筆者が以前、指摘した米金利上昇の背景は、今でも変わっていない。
市場は米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ姿勢継続を織り込んでいる。言い換えれば、米国経済の力強い状態が続くと見込んでいるのであり、悪性の継続的な金利上昇ではなく、金利水準の訂正と見るべきなのだ。
11月8日に発表された連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文では「米国の経済活動は力強いペースで拡大している」「今後も更なる漸進的な利上げを継続する」とされ、次回会合での利上げを示唆し、市場の織り込みに自信を与えた。米国10年国債利回りは、10月初頭以降は上昇継続せず、3・1%台を中心とした狭いレンジでの横ばい推移となっている。
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週刊エコノミスト
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