村田晋一郎/種市房子 編集部から
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業界専門誌や経済誌の編集記者として取材してきた中で、最も印象に残っている経営者の言葉は「哲学のない技術、哲学のない産業、哲学のない企業は廃れる」だ。
2000年以降、日本の電機産業、とりわけ半導体産業の凋落(ちょうらく)を現場で感じるたびに、いつもこの言葉が頭をよぎっていた。多くの日本の半導体企業が右へ倣えでメモリーから撤退し、システムLSIにシフトして失敗。わずかに数社だけが存在感を保っている現状は、悲劇ですらある。
しかし「言うはやすく行うは難し」で、この言葉の主の会社も数年前に廃業した。最後は彼自身に哲学があったのか疑わしい状況で、それが逆に説得力を強めていると思う。この言葉を今後も企業や産業を見る上での一つの尺度にしていきたい。
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週刊エコノミスト
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