コンゴ 紛争下の性暴力深刻 州都で被害者2600人=小泉大士
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今年のノーベル平和賞を受賞したアフリカ中部コンゴ民主共和国の産婦人科医デニ・ムクウェゲ氏が長年にわたり告発してきた「武力紛争下の性暴力」。国際非政府組織(NGO)「国境なき医師団」(MSF)が11月に公表した報告書は、今なお被害に苦しむ人々が驚くほど多いという事実を明らかにしている。
MSFによると、同国中央カサイ州の州都カナンガ市で2017年5月~18年9月に治療した性暴力の被害者は2600人。このうち8割が武装した男らにレイプされたと訴えたという。
「首を切られた夫の遺体の隣でレイプされたその場には子供たちもいた」「やつらは3人の娘をレイプしてから殺した」。被害者が語る性暴力の実態は凄惨(せいさん)きわまりない。兵士や民兵は性欲のはけ口としてだけでなく、被害者と家族に多大な苦痛を与え、恐怖心を植え付けることで周辺住民を支配する「戦争の武器」として性暴力を利用している。
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週刊エコノミスト
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