法務・税務税務調査が狙っている

増税目前の消費税 軽減税率で調査も混乱?=桐山友一

    軽減税率の導入で混乱が予想される…… Bloomberg
    軽減税率の導入で混乱が予想される…… Bloomberg

     国税当局が消費税の税務調査に力を入れている。特に、増加している消費税の不正還付事案に対応するため、東京・大阪両国税局に今年7月、消費税担当の「統括国税実査官」を新たに配置。不正還付が疑われる事案の情報を収集・分析し、多角的に税務調査を企画・立案するという。来年10月に現行8%から10%への消費税率引き上げを控えていることも、消費税に対する税務調査の強化の背景にあるとみられる。

     消費税の申告は、商品・サービスを売った時に受け取る税額から、仕入れ先に支払った税額を差し引くことで納税額を計算する。受け取った消費税より支払った消費税のほうが多ければ、申告することで還付を受けられる。また、消費税は国内での消費に対して課税するため、海外へ輸出する商品・サービスを国内で仕入れた際、国内で支払った消費税も還付の対象となる。そのため、仕入れを水増しして支払った消費税を多く見せかけたり、海外に輸出したと偽って還付申告したりする事例が後を絶たない。

     名古屋地検特捜部は今年6月、愛知県内の自動車販売業の社長らを消費税法違反などの容疑で逮捕した。報道によれば、国内で自動車を仕入れて海外に輸出したとの架空の取引を計上し、消費税約1160万円の還付を不正に受けたという。また、東京地検特捜部も今年3月、実際には仕入れていない化粧品を仕入れたと装い、不正に消費税・地方消費税約2億6100万円の還付を受けたとして、東京都の化粧品販売会社の代表者を消費税法…

    残り1337文字(全文1957文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    6月2日号

    緊急提言 コロナ危機の経済学第1部 政治・経済編16 英知を結集 前例なき時代へ処方箋 ■編集部18 インタビュー 竹中平蔵 東洋大教授、慶応義塾大名誉教授 「デジタル化の遅れ挽回する好機」20 戦時体制 市場・金融政策万能の見直し ■高田 創22 経済政策 副作用忘却した世論迎合の危うさ ■森田  [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事

    ザ・マーケット