「金取引」の抜け穴 不動産投資家に広まる課税売り上げ増やす手法=松嶋洋
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消費税の申告を巡る抜け穴の一つが「金取引」だ。マンション販売業者などの場合、販売先が決まるまで一時的にマンションの賃料収入を得ることがある。この居住用賃料には消費税が課されないため、マンション販売業者が建物購入時に支払った消費税を、売り上げの際に預かった消費税から差し引くこと(控除)が制限されている。しかし、消費税が課税される売り上げ(課税売り上げ)が自社の売り上げの大部分を占める「一定の事業者」については、消費税控除の制限を受けないとされている。
このため、課税売り上げを意図的に増やし、仕入れ(マンション販売業者なら建物の購入)の際に支払った消費税を差し引けるようにすることで、納める消費税額を少なくしたり、還付を受けたりする事業者がいる。課税売り上げを意図的に増やす手法として使われているのが、大きな金額で売買が可能な金取引だ。巨額な金取引を事業として繰り返すことで課税売り上げを増やし、事業全体に占める賃料収入(非課税売り上げ)の割合を減ら…
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週刊エコノミスト
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