米圧力の脅威 車の輸出規制、円安是正迫る米国 日本の景気後退の現実味=木内登英
日本経済は成長ペースを幾分落としつつも、比較的安定した状態を維持している。2019年10月に実施される消費税率引き上げも、成長軌道に大きな影響を与えないだろう。他方で、海外要因、特に米国の保護貿易主義が19年の日本経済にとって最大のリスクになると考える。
18年12月初めの米中首脳会談で、トランプ政権は2000億ドル(約22兆5600億円)相当の中国からの輸入品への追加関税率を10%から25%に引き上げる措置の実施を、当初予定していた19年初から90日間猶予することを決めた。しかし、これは一時的な停戦でしかなく、米中貿易戦争は今後もエスカレートしていくだろう。
国際通貨基金(IMF)の試算によれば、米国がすでに実施した鉄鋼・アルミの輸入制限と合計2500億ドルの対中追加関税で、米国と中国の国内総生産(GDP)はともに0.3%押し下げられる。
残り2351文字(全文2727文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める