過剰な設備 過去のピークに並ぶ過大投資 ストック調整が始まるリスク=河野龍太郎
2018年初以降、日本の輸出と製造業の生産は拡大が止まっている。それでも日本経済が緩やかな拡大を続けているのは、設備投資が拡大を続けているからだ。しかし、設備投資に黄色信号がともり始めた。19年は景気拡大が終焉(しゅうえん)を迎えるのではないか、以下、分析する。
外需拡大はストップ
長く個人消費の停滞が続く日本では、民間貯蓄を公的需要(財政赤字)か、外需(純輸出)か、設備投資のいずれかで吸収できた時、景気が回復した。シンプルなケインズの45度分析(国民所得決定理論のうち、財市場における需給均衡を分析する最も単純なモデル)で説明可能だ。
不況からの立ち上がりは、拡張財政で財政赤字が拡大し、民間貯蓄が吸収される。世界経済が回復すると、外需で民間貯蓄が吸収される。外需主導の回復が続くと、業績の回復した企業が設備投資を増やすため、民間貯蓄が吸収され、景気拡大が加速する。
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週刊エコノミスト
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