NYダウ 好景気反動 年前半厳しく=馬渕治好
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2019年前半の米国株式市場は厳しい環境となるだろう。背景に三つの要因があり、米国経済が後退するためだ。(1)18年は好調な景気に法人減税の効果が加わったため、その反動が懸念される、(2)足元の好景気から、米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を一段と引き上げざるを得ず、既に陰りの出ている住宅や自動車の販売がさらに悪化する、(3)米政権の保護主義的な通商政策が家計や企業のコストを押し上げる、という点だ。
企業の社債発行状況も要注意だ。最近までの低金利で、米企業は借入金や社債の発行を増やし、それを自社株買いに充ててきた。利上げで一段と金利水準が押し上げられれば、社債発行は縮小し、自社株買いが減退して株価下落を推し進めるだろう。金利コスト(社債の利子)の上昇によって企業の財務状況悪化が見込まれると、社債格下げの可能性を想起させ、社債利回りがさらに上昇するといった悪循環もありえよう。投資家にとっては株…
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週刊エコノミスト
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