岐路の日米同盟 沖縄の民意があぶり出した「逆ピラミッド」安保のゆがみ=吉次公介
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2018年9月、沖縄で、翁長雄志知事の急逝を受けて、県知事選挙が実施された。そして、翁長県政の継承を掲げ、普天間基地の辺野古移設に反対する玉城デニー候補が、安倍晋三政権の全面的な支援を受けた佐喜真淳候補に圧勝した。
辺野古移設の是非が最も重要な争点だったこの選挙は、県民のみならず、多くの本土の国民の関心を集めた。だが、普天間移設をめぐる日本政府と沖縄県側の溝は埋まらず、問題解決への道筋は見えないままだ。
沖縄米軍基地問題は、「沖縄固有の問題」ではなく、「日本全体の問題」、換言すれば日米安保体制(以下、安保体制)そのものの問題である。国連の集団安全保障がまだ十分に機能せず、アジア太平洋地域における多角的な安全保障体制の構築も道半ばであることから、当面は、日本の安全を保障し、アジア太平洋地域の秩序を維持する装置として、安保体制は続くであろう。そうであれば、我々が考えるべきは、安保体制のどこを、いかに…
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週刊エコノミスト
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