新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

経済・企業 エコノミストリポート

「地域共生社会」の背景に見える厚労省の思惑とは=三原岳

 介護保険の財政が厳しさを増している。65歳以上の人の保険料負担も右肩上がりの状況が続く。そうした中で、厚生労働省は近年、「地域共生社会の実現」を声高に主張し始めた。その理念は理想的であるとしても、現場ではとまどいの声が聞かれる。この背景には、介護保険財源を確保するため、現在は「40歳以上」である介護保険料の対象年齢を引き下げたいという思惑があるように感じられる。

 厚労省は2016年7月、「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部を発足させ、現行の縦割りの公的福祉サービスから、地域が一体となって支え合う「地域共生社会」への転換を検討している。その前月に閣議決定された「ニッポン1億総活躍プラン」や「骨太の方針2016」で「地域共生社会の実現」がうたわれたことも受けた動きだった。その後、地域共生社会実現本部は17年2月、「当面の改革工程」を発表し、20年代初頭に向…

残り3200文字(全文3583文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事